2011-12-29

111229 八ヶ岳横岳西壁石尊稜

12/28 19:00 佐藤さんに僕の職場に来てもらい出発。
走り出してすぐに佐藤さんから日帰り(前夜泊日帰り)に変更できませんかと提案。
理由は、聞かなくてもわかる。
ふたりともカミさんの御機嫌斜めなのは同じなのだ。
予定を変更して石尊稜のみにした。

11:00 今回も佐久のガストで食事して八ヶ岳山荘仮眠室で寝る。

12/29
5:49 美濃戸の駐車場を歩き出す。北沢経由。
下部岩壁
7:18 鉱泉着。ハーネス、メットを装着し行者小屋方向に歩き出す。
10分ほどで登山道から左に分かれ沢筋を詰める。

8:34 石尊稜取り付き下部
下部は、雪壁のスラブとある。
おおよそ10メートルほど登ったところで下部岩壁の1ピッチ目。
小川山のソラマメスラブとかフリークライミングのスラブならわかるが、アイゼンで登るスラブの経験はないし雪がうっすら積もっているので雪の下がどうなっているかもわからない。取り付いてみる。
佐藤さん先に壁の右寄りを登り始める。
取り付いて明確なホールドが少ないのがわかる。
詰まってしまったので後続の僕がルート変更。
下部雪壁
左側のルンゼ沿いに詰め上がる。
ルンゼは、雪が深く腰まで埋まる。ルンゼの浅い縁をたどって下部岩壁の1ピッチ目取り付きに到着。
ハンガーボルトが右寄りに2本ずつ、真ん中あたりに2本ずつの2カ所打ってある。
僕たちは、左のルンゼから登ってきたので真ん中のボルトを使うことにする。

9:18 1ピッチ目
向かって右上の中山尾根から合図の声が聞こえる。中山尾根に3人のパーティーが取り付いていた。
佐藤さんリード。最初右上してから方向を変えて左上。苦しんでいる。斜度はそれほどではないのだが、微妙にホールドが緩い。ランニングの間隔も遠い。
1ピッチ目取り付き
右ルートを取ったのは、下から見て、左もあるかなと思ったが、見比べて右ルートの方が、取っつきやすく見えたし、ところどころある雪の部分にうっすらとトレースが残っていたからだった。
帰ってきてガイドブックを見直してわかったが、ここは、右と左にルートがあり、左の方がポピュラーなようだった。
2ピッチ目。リードを交代。左上して灌木をつかみ岩場をクリア。そこからは、灌木を縫うように雪面を上がった。
下部岩壁は、2ピッチで終わった。
24、25日に登った赤岳、阿弥陀が見え始める。
ここからだと阿弥陀北稜が真っ正面だ。
空は、うっすらと雲がかかっていてかなりの速さで移動していく。北日本を通過している低気圧の影響だろう。
下部岩壁1ピッチ目
ここから上部岩壁まで雪稜が続く。上部岩壁でまた、ロープを使うのでロープをザックにしまわずにコンテで行くことにする。
3年連続で年末に八ヶ岳に来ているが、今年は、雪は、少なめだ。
もっと雪が多ければ、稜線のラインが美しいことだろう。
雪稜に入ってすぐトレースが消える。
石尊稜は、人気ルートなのでトップになるとは思っていなかったが、我々が今日のトップだ。
雪は少ないと言ってもところどころ膝から股下あたりまでの深さのラッセル。
高度を上げていきながら見下ろしてみたが、後続がこない。
結局この日、石尊稜は、我々だけだった。中山尾根も先ほどの1パーティーだけだ。
下部岩壁2ピッチ目
今日から年末年始の休暇に入った人が多いが、今日は、鉱泉や行者までで明日からが混雑するのだろう。
次第に高度を上げ、大同心、小同心といった横岳西壁の上部岩稜が間近に迫ってくる。
恐ろしいほどに威圧感がある。
間近というより自分もその中に入っていくのだ。
上部岩壁の手前で左のルンゼから急斜面を登ってくるトレースが、付いていた。
いったい何だろう。時間切れで敗退し下りに使ったのかなど推測したが、帰ってきてわかった。
中間部雪稜
石尊稜の左(北)のルンゼは、三叉峰ルンゼで、このルンゼをアイスクライミングをしながら詰めるルートがあり、最後は、石尊稜の上部岩壁の下に出て石尊稜に合流するのだった。

上部岩壁の取り付きに着いた。
人気の初級ルートだから、ハンガーボルトがあるものと思っていたが、ない。
さびたハーケンが数本。取り付きの下に灌木。灌木でビレイを取って今度は、自分がリードで取り付く。
出だしにハーケンがあっただけ。
くびれた岩を探してタイオフしたりとがった岩角にランニングを取ったが、しっかり固定した感はない。下方向に引かれれば、しっかりと止まるようにはセットしたが、ロープに引かれて歩いてしまうカムよりはましと思うしかない。
上部岩壁
上部岩壁になってくるとリッジが細い。両側が切れ落ちている。
また、風が横岳の稜線を越えるときに加速されるため、強くなってくる。頬、唇の感覚が麻痺してくる。
上部岩壁1ピッチ目後半は、雪壁となった。1ピッチ目前半は、両手でホールドをつかんで登り始めたが、ところどころ片手でホールド片手でバイルを刺して登る。後半は、両手でバイルを刺して登る。
まさにミックスルートとは、これなのだと実感。
1ピッチ目は、ピナクルにスリングをタイオフしてフォローを確保。
2ピッチ目。続けてリードをしようかと思った。下部岩壁の1ピッチ目は、自分がすべきだったかと思っていたからその分上部岩壁は、自分がリードで埋め合わせと思ったのだ。
上部岩壁1ピッチ目リードのビレイ
しかし、果敢に佐藤さんリードするという。リードで登るのは、怖いのだが、登り上げるのは、快感でもある。
2ピッチ目は、リッジ通しか、左側面に出てルンゼか、右側面も左側面も急傾斜だ。佐藤さんに判断を任せる。
左側面に出た。そこからルンゼを登りあげ、右上してリッジに出てピッチを切る。
フォローで続く。風が強い。追いついたところで石尊稜の終了の稜線が近いことを感じる。このまま行けということで追い越して表面が強風でクラストしたルンゼを登り続ける。
最後だ。冷気で気管支炎になったかと思うほど呼吸が苦しい。
ロープがいっぱいになりきってこれ以上ロープが延びないところまで行ってしまおうと思った。
いっぱいのところまできて登山道のトラロープを結んでいる杭に届いた。
上部岩壁1ピッチ目
ロープを引き上げてフォローの確保をしようとしているうちに佐藤さんがどんどん登ってくる。
ビレイのセットをせずロープを引き続ける。

13:17 石尊峰
登山道には誰もいない。
赤岳主稜のときとは、また違う達成感を感じつつ地蔵分岐まで下る。

14:16-14:54 行者小屋
昼飯。
今月17日の裏同心ルンゼからここまでを思い出し、2週間の間に一気にここまでやったことは想定外だった。絶好の天候ではなかったが、断念するほどの日がなかったことに感謝。
上部岩壁1ピッチ目後半の雪壁

16:13 美濃戸
帰りは、南沢から。
途中阿弥陀北西稜の取り付きを偵察している方から声をかけられた。アルパインをやってきたと見られたことは、うれしかった。
見た目60歳はとうに過ぎている。僕たちより遙かに上のレベルのルートをやろうとしている。
自分たちは、まだまだだ。

初級バリエーションだからたいしたことではないのだが、これで八ヶ岳の冬期バリエーションの4ルートを塗りつぶした。

石尊峰バックは、赤岳
上部岩壁2ピッチ目

2011-12-26

111225 八ヶ岳阿弥陀岳北稜

この日の天気図



8:11 赤岳鉱泉発
この日の予定は、山小屋の朝食無しで出発の予定だったが、前日、赤岳主稜をやったので余裕ができた。朝食を食べてから出発。

8:43 行者小屋
阿弥陀も赤岳も見えない。稜線の状況が悪いことを覚悟する。

9:07 文三郎と阿弥陀夏道への分岐

9:22 斜面取り付き
夏道の沢に着いたところで先行パーティーを追いこす。ここでトレースは、夏道沿いの沢と斜面を稜線に登り上げるトレースに分かれている。天候が良くないので稜線に出れば、風に吹かれるところだが、逆にその日の状況がよくわかるだろうということで稜線に登り上げるトレースをたどる。
行者小屋から阿弥陀方面
まもなく稜線に出た。相変わらず視界は悪い。しかし、強風が吹き付けているわけではない。どんどん稜線通しに登り上げる。

9:46 ジャンクションピーク
名前は、かっこいいが、特にどうということもない地点だ。いったんここで傾斜はゆるむが、傾斜などお構いなしにどんどん登る。途中から、斜度がきつくなってくる。両手をついて登るようになってくる。雪の着いた斜面に手をつくと手の感覚がなくなるほどに冷たい。
ときおり、前のパーティーがうっすらとみえる。アイゼンの爪痕がはっきり残っていたのでさほど時間は、経っていないことは、予想できていた。我々のさらにひとつ前のパーティーも同じルートを取っていた。我々の前のパーティーが1ピッチ目を登り上げるところだった。


第1岩峰手前の稜線
10:02 北稜第一岩峰取り付き 
第1岩峰は、向かって左側面から取り付く。
1番手前。3メートルほど登ったところにハンガーボルトが打ってある。しかし、取り付きにボルトは、ない。前のパーティーのアイゼンの爪痕が岩の間の雪に残っていた。前のパーティーは、一番手前のルートだった。
1番手前から3メートルほど奥に行ったところの取り付きにビレイ用のペツルのハンガーボルトが2本打ってある。



10:20 登攀開始
我々は、下から3メートル奥のルートを選んだ。
下から見るとただの岩登りじゃないかと思うようなルート。食指がのらないルートだ。
今日は、自分が1ピッチ目のリードをする。
取り付いて昨日との違いに気付く。
この岩場は、傾斜は、緩いが、ホールドが、丸まっている。
手袋をしたままでホールドをつかむには、頼りない。
1ピッチ目取り付き
いわゆる嫌らしいルートだ。
傾斜が緩いため岩の間に草付きが、多い。
アイスのように草付きにバイルを突き刺して登りたいほどだ。
かわまず、木をつかみアイゼンを草付きに差し込んで足で立って登り上げる。
リッジに出たところで左足のアイゼンが外れた。ちょうどクライミングの必要がなくなって2足歩行で進めるところだった。傾斜がきついところだったらやばかった。
進行方向5メートルほどにピナクル。このピナクルでピッチを切るか一瞬躊躇したが、アイゼン無しでも歩いていける。さらに7、8メートルほどで第2岩峰の取り付きにハンガーボルト2本が打ってあるのが見えた。
左足のアイゼンをぶらぶらさげたまま、第2岩峰の取り付きまで進む。
1ピッチ目は、40メートル以上は、あったと思う。距離があったので大きな声でビレイ解除と叫んだが、声が届いていない可能性があった。
打ち合わせ通り、最初に強く引いたらビレイ解除、2度目にまた強く引いたら登って良い。
特に心配はなかった。
組んだパートナーとの呼吸で合わせていくのだ。
声など聞こえなくてもロープを引き上げ、ビレイを構築しフォローで登ってくるビレイをしていく。
1ピッチ目リード
フォローで登ってもらったところでアイゼンを付け直す。
リードを交代する。2ピッチ目第2岩峰を登っていくのをビレイする。
しばらくして何か声が聞こえるがはっきりとは聞き取れない。
1ピッチ目と同じロープの動きを判断して解除してフォローで登り上げる。
2ピッチ目もすぐにクライミングは、終わり。後半は、傾斜の緩い雪稜の歩きだった。
2ピッチ目の終了点は、灌木でビレイを取っていた。
終了点についてわかったのだが、最後の細いところが、ナイフリッジだった。
雑誌やガイドブックの写真では、ナイフリッジの名の通り、両側が切れ落ちていて落ちたらやばいと感じさせる絵になるところだ。
晴れていて見通しが良ければバックは、北八で高度感が抜群、かっこよい写真が撮れるポイントなのだろう。
実際には、通り過ぎてからわかったぐらいだから、たいしたことはなかった。すたすた普通に登山道を歩く感覚だった。
2ピッチ目終了点からのビレイ
ガイドブックでは、3ピッチで登るのもあるのだが、2ピッチ目が終わるとこの先は、緩斜面だ。ロープをまとめて歩き出す。

11:11 登攀終了
11:21 阿弥陀岳山頂

登攀終了点から、10分程度の歩きで山頂に着いてしまった。
あっけなかった。
冬期バリエーション初挑戦には、良いルートかもしれない。しかし、初挑戦でも実力がある者には、あっけないと言うよりものたりないかもしれない。
山頂は、ガス。風が吹き付けていて視界は、ほとんどない。
これで我々の2年越しの目標は、達成できた。

12:01 行者小屋
14:10 美濃戸駐車場着
ナイフリッジ

二人とも冬期バリエーションがやりたかった。
しかし、その当時、会で冬期バリエーションをする者は、ちょうどいなくなっていた。
山岳会なのに冬期バリエーションをする者が一人もいない。
どうする?と話し合ったのが2シーズン前の冬だった。
ルートの経験者無しで冬期バリエーションは、正直不安だった。
しかし、選択肢はなかった。
先輩を頼りにはできない。
自分たちだけで解決しなければならない。
内心忸怩たる思いもした。
フリークライミングに力を入れだしたのも同じ思いだからだった。
二人ともあれもこれもちょこっとやっては、なにひとつ一丁前になっていなかった。
それぞれがこれでは、だめだと感じていた。
バリエーションをするなら基本は、クライミングができなければ話にならないと思い、2010年春から黒岩に通い出した。
冬期バリエーションは、阿弥陀南稜からトライすることにした。
二人で調べ上げて1回目は、2010年3月。P2までで吹雪のためP3P4を残して敗退。
その2週間後、2回目で阿弥陀南稜を登り上げた。

次に目指したのが、赤岳西壁主稜と阿弥陀北稜だった。
1回目は、2010年12月29日。強烈な寒波で敗退した。
今回2回目だった。
所属山岳会に冬期バリエーションを復活させるという大それた思いはない。
ただ、興味を持つ会員がいて一緒に行きたそうな顔をされたのは、感じた。
自分たちも初めてだから、連れて行くことは、できなかった。
まずは、自分たちが登りあげてからだ。
連れて行ってもらって登っていれば、もっと早い時期に登っていただろう。
でも、これで良かったと思う。
2日間で頬にできた凍傷は、すぐに消えてなくなってしまう勲章なのだ。

111224 八ヶ岳赤岳西壁主稜



12/23 八ヶ岳山荘にて仮眠
5:43 美濃戸駐車場発

7:59 行者小屋
当初の予定は、この日、阿弥陀北稜、翌日赤岳主稜だった。絶好とは行かないまでも思っていたより天気がいいため赤岳主稜に変更する。
寒い。弱気になりそうなところだが、1年前の暮れに荒天のためふたりでここで敗退している。また、同じふたりでここで帰ったら負け犬だ。行くのだ。

9:21 文三郎道分岐
文三郎道から主稜の取り付きへトラバースする地点。文三郎を結構登ったところだ。連休のこの時間だから当然だが、すでにトレースが付いている。主稜に取り付いているパーティーが2パーティー確認できた。取り付きには、1パーティー。待ち時間を覚悟していたが、我々が取り付きについて準備する時間を考慮すると待ち時間は、ゼロだ。

9:43 主稜1ピッチ目取り付き
文三郎で登攀用具をつけて追い越していった人が、取り付いているパーティーを追い越してソロで登っていく。先に行って後続の人達のために用意しているものかと思っていたが、一人で登っていった。トラぶったときのことを考えるとおすすめできないが、ソロでも可能だ。一人でなら、ビレイも何もない。スピーディーに行動できる。
続く前のパーティーのロープが絡んでしまっている。ビレイヤーが、ほどこうとしているが、無理。ほぐすのを手伝う。
ハンガーボルトが2本打ってある。ここでビレイを取る。
いよいよ我々の番だ。
佐藤さんリードでスタート。
チムニーにチョックストーンが、挟まっている。ここを両足を突っ張りながら、体を上げていく。
足で押せばいいのだ。さほど難しくは、ない。
チョックストーンの上に乗ってチムニーの右側面を直登。5メートルほどしてチムニーを抜けたら、右折して簡単な岩稜を登り1ピッチ目を切る。1ピッチ目のルートは、ロープが、屈折するのでロープを伸ばせない。
2ピッチ目左上する凹角。
クライミングのレベルとしては、簡単であるが、アイゼンで登るのは、怖い。
フリー用のクライミングシューズならラバーのフリクションを生かすことができる。
アイスなら、アイゼンのフロントを氷に突き刺すことができる。
アイゼン登攀の場合、岩のへこみにアイゼンのフロントの爪を引っかけるだけなのでフリクションなどない。爪の引っかかりがカリッと外れれば、落ちる。クライミングでつま先で立ち込むことをしていない場合、うまく登れないだろう。
出だしのチョックストーン
3ピッチ目雪のミックス。ここらあたりから、何ピッチ目なのかわからなくなってきた。時折、前のパーティーが見えるのでルート取りに悩むことはない。ありがたや。
4ピッチ目ぐらいまで文三郎道を登る登山者がはっきり見える。3ピッチ目あたりまでは、登山道との距離が50mぐらいで並行している。主稜側から見てみると意外と近い。文三で立ち止まってクライマーを見ている人もいる。むこうからもよく見えているようだ。
このへんで前のパーティーの追いつく。
しかし、取り付きにいたパーティーとは違う。
追い越していったのだ。
よく見ると3人だが、1本のロープに2人目3人目がつながっているのだ。変則的な結び方である。ずっとトップは、同じ人。2番手は、ロープの下の方でロープを輪にしてハーネスに結びさらに下に伸びる末端を3人目がハーネスに結びつけている。2番手の人の登が明らかに遅く追いついて待たされる。2番手の人をトップと3番手でアシストするという考え方かもしれない。しかし、フォローのどちらかが落ちて振られたら、もう一人も振られてしまうともとれる。そのときトップひとりで持ちこたえなければならない。3人の場合、ロープを2本でリスクを分散するのが原則と思うのだが。


標高が上がるにつれ、天候が悪化しガスの中になる。阿弥陀は、頂上まで雲がないので2800mあたりから雲がかかっているようだ。風も強くなってくる。顔面が凍り付く。

12:58 赤岳北峰
ガスの中だ。風も吹き付ける。
文三のトラバース地点から、そのまま登山道を行けば、1時間30分ぐらいでなかろうか。
それを3時間かけて登ったのだから、体が冷え切ってしまった。
この日の寒さで顔がしもやけになってしまった。
山頂でゆっくり休んでいる場合ではない。すぐに文三郎を降る。

14:20 行者小屋
リベンジできてほっとした。
昼食。結局この日の行動食は、200ccの水分とコンビニで買ったスイートポテト。リンゴ1個。カロリーメイト1箱。
その日は、赤岳鉱泉に向かい小屋泊まり。

登ってみて
赤岳主稜は、グレードとしては、むずかしくはない。
冬期バリエーションを目指して行動すれば登れる。
八ヶ岳連峰の主峰である赤岳にまっすぐ突き上げるバリエーションルートである。
主稜は、行者小屋からも見えるし、文三郎登山道の登山者からも見える。
冬期バリエーションのメジャー中のメジャーと思った。

2011-12-18

111218 黒岩

黒岩到着が、11時を過ぎてしまった。
昨日、裏同心ルンゼだったのでゆっくりでお願いした。それでも約束の時間に遅刻。師匠が先に来ていた。師匠を待たせるとは、申し訳ない。岩を離れるとすぐ登れなくなる。少なくとも週1は、さわっておきたかったので昨日師匠にお願いしたのだ。
  練習岩に二人。他の山岳会の人がふたり。師匠と僕の6人しかいない。
  師匠が、昨日の裏同心について聞いてくる。ひととおり話をしてから、アップどこでする?どこでもいいよと聞いてくる。舞姫(5.11b)なんですけど、アックス(5.10c)を登って舞姫にトップロープをかけてからです。
じゃあ、舞姫やるか。アックスは、登りたくてやるんじゃなくて舞姫にロープをかけるためだろう。
ということで、1本目から舞姫に決まってしまった。
師匠がリードで登っていく。最初の出だしが苦しいのでガン見する。
最初は、俺も届くのがちょっとくるしいよ。そこの小さいホールドを使って手を伸ばすんだよ。師匠が、教えてくれる。
  こんな風に教えてもらうのは、久しぶりだ。最近は、自分達でやるようになってなんとかかんとか自分で解決して登ることが、多かった。そこに手を伸ばしちゃったらクリップが腰の下になってしまうだろ。その手前のくぼんだカチで保持してクリップだ。最初から、リードを意識した指示になる。
そうだった。こうやって一手一手教えてもらってそこまで教えてくれれば登れないってわけにはいかなくなる。そうやって登れるようになってきたんだ。
  テンションを2度ほどかけてしまったが、何とか解決しながらトップアウトした。舞姫は、テクニカルでおもしろい。できるようになるという感じがする。

降りてきてイレブンを何本登ったか聞かれる。
5本と答える。
もうトゥエレブをやってもいいぞと言われる。
認めてもらえたようで少しうれしい。やりたい気持ちもあるが、自分としては、その前にやっておきたいルートが何本かある。並行してかなと思う。

東面から、南面に向かう。
歩きながら、師匠が、話をする。
  昔、うちの会でもフリーやるやつは、そんなにいなかったんだよ。俺は、○○君とふたりで岳友会から始めていったんだよ。○○君は、結婚して行かなくなったんだ。それまで○○君が使っていたアイスバイルは、俺が使わせてもらってるんだ。インビテーションを作った△△さんは、トライアスロンをやるようになって遠のいていったんだ。

インビテーションのアプローチのルンゼに着いた。先日張り替えた汚れたロープを片付けるという。それは、誰が張ったんですかと聞く。■■■さん。■■■さんは、今のジムの近くに人工壁を作ったんだ。それでフリーやるやつが、集まってきて仲間ができるようになっていたんだ。
インビテーションの取り付きに着いた。雪が舞ってきた。
...△△さんは、一緒に行ったパートナーが谷川岳の事故で死んでるんだよ。事務所に写真が飾ってある人だ。それもあって気持ちが向かなくなったのもあるんだと思うよ。
普段こんな話は、聞けない。

  インビテーションのムーブの話になる。ふたつめのボルト手前が、わからない。イレブンbなんだから、とんでもない登りじゃないとできないわけじゃないはず。ひょっとしてホールドがかけているのかもしれないのかなとなる。
師匠が、先に取り付く。まだ、師匠も解決していないのでビニールひもをかけておいてロープにつなげてトップロープ状態にしてからだ。師匠もテンションをかけつつ、登っていく。
次は、自分だ。下でよーく見ながら、ビレイしていたのだが、やってみると手強い。ふたつめのボルト手前は、右足のスタンスが、苦しい。
3ミリ程度の小さいカチでも角張っていれば、なんとか足を乗せられるのだが、小さくて緩い下りカーブを描いているカチ(極小パーム)に起たなければならない。手は、縦カチだ。とてもではないが、重力に負ける。保持することは、無理。先ほどの舞姫は、テンションをかけつつも一応解決できた。とても同じグレードとは思えない。まったく歯が立たないのだ。そもそも登り方が違っているのかもしれない。リングを引っ張り人工で抜ける。そこから、3カ所解決できないパートがあった。無理矢理トップアウトはしたが、ほかのルートの3本分ぐらいのパワーを使ってしまった。
師匠は、インビテーションから降りるとき、ビニールひもを外して行くことにした。なんとかチョンボ棒を使いながらでも登れそうだし、イレブンにひも張っておくのは、みっともないしな。自分としては、チョンボ棒を使ってもロープを張れないので張っておいてくださいと言おうかと思ったが、一緒にやればいいかと思い同意した。

インビテーションから降りてくるとすでに山岳会のふたりが帰っていた。師匠とふたりで遅めの昼食を取りながら、話をする。今日なら、ツルもアヒルもずっと独占できるのにもったいないですね。雪山が始まったし、スキーをやりたがっている人も多いから、来なくなるんですね。裏同心ルンゼよりここの方が寒いしな。こんな話をする。そのうち、他のふたりも帰って行った。

12月の日曜日。午後3時。黒岩にいるのは、師匠とふたりだけになった。

休んでから、時間がおしていたのだが、僕がアヒルをやりたいのを知っている師匠が、張ってくれると言った。
登りながら、休み方、クリップの仕方を教えてもらう。
  続いて僕が、取り付く。やる前から、左側面を使うとダメって言われるよとか、いつもよりハードルが上がっている。全力で行っちゃ腕が持たなくなる。核心の次で左足を上げていたら、支えきれなくなってクリップできないぞ。こまかくだめ出しが出る。
  トップロープでなら確実にテンションをかけずに登れるようになっていたのでそのうちできるようになるさと思っていたのだが、少し火が付いた。

2011-12-17

111217 裏同心ルンゼ

12月16日金20時30分
3人(佐藤、僕、高橋君)ともメニューの同じものを指さす。
プレミアムリブロースステーキセット。
どうせ、999円だから、筋だらけのオージービーフじゃないかと思いつつ頼んだが、

うまい。

まさか佐久のガストで999円のビーフステーキセットが、こんなにうまいとは、幸せな気持ち。
とてもさい先がよいのだ。
八ヶ岳の東麓を回り美濃戸口の八ヶ岳山荘で仮眠。
途中まっちゃんから東京を出たとメールが来る。
まっちゃんは、裏同心ルンゼのためにその日の朝、高崎から車で出勤してどっかの有料駐車場に車を止めておいて残業をした後に一人首都高、中央道で美濃戸まで来るのだ。
僕たちは、おいしいステーキを食べて3人だけの八ヶ岳山荘仮眠室で暖かい布団に寝て熟睡。
鉱泉の奥のでべそが大同心

12月17日土。朝、まっちゃんと合流して美濃戸口まで車で移動。
6時。暗い中を歩き出す。
7時45分。赤岳鉱泉につく。
鉱泉の小屋下で準備をしているパーティーがいる。
女性2名に男性1名だ。
佐藤さんが、感じのいいおねいさんに声をかける。
なんと小同心クラックとのこと。
僕は、ちょっときれいなおねいさんの使いこなしているアイスパイルを見て
たっ、ただもんじゃぁねえぞ。
山岳ガイドではないかと思ってしまった。
おねいさんたちが準備を終えて出て行った後僕たちもここでメット・ハーネスを装着して裏同心ルンゼに向かう。
-裏同心ルンゼは、八ヶ岳西麓の美濃戸から南沢を登り赤岳鉱泉から硫黄岳に向かう途中の沢である。-

8時50分。赤岳鉱泉から20分ほどで裏同心ルンゼの取り付きに着く。
-裏同心ルンゼは、ルンゼという通り、沢状の地形。途中氷った滝が5つ。冬は、氷瀑になり氷瀑の部分をアイスクライミングで詰めていき大同心基部まで登り上げるルートだ。-

その日の天気図。八ヶ岳が晴れる日はこれ。
快晴。ほぼ風無し。
すでにF1に取り付いているパーティーがいる。
僕たちは、その後のまたその後のまたまたその後。
僕たちの前は、先ほどの3人のパーティー。
まだ、八ヶ岳でアイスができるのは、ここだけなので集中するのだ。
その次、2人のパーティーは、ガイドの青木さんだ。
山渓ガイドDVD冬の八ヶ岳山Ⅱの阿弥陀南陵に出ている人だ。
初めて見る人だが、2年前にDVDを何度も見たので声だけでわかった。

しばらくして先ほどの3人パーティーが取り付く。
女性がリードで2本のロープを引いて右寄りを登っていく。
男性が、ビレイをする。
最後に女性がフォローで登っていく。
その間、F1の左寄りを青木ガイドが、追い越していく。
下から見ていてさすが、バイルの突きに迷いがない。一発で軽く刺しただけで決めて登っていく。
僕たちは、4人2組なので参考にして時間節約のため右ルート左ルートで同時にあがることにする。
ここで、フリーソロの人が行きたがっていたので先に行かせる。

F1
9時30分。佐藤松田組と僕高橋君組でスタート。
右寄りリード佐藤と左寄りリード僕。
今年初のアイスなので慎重にスタートするが、さほど難しくない。
ここは、左寄りのルートを取ると滝の3/4位登ったところの壁面にボルトが打ってある。
さくっと途中のボルトまでいける。
ここでフォローの確保をセットして高橋君に登ってもらう。
そのまま僕を追い越し氷の上の緩傾斜まで行かせる。
ザックザックと2足歩行で追いついてF1お終い。

F1の上からF2が見える。
でかい。起って見える。
先行パーティーが取り付いている。
気合いを入れつつF2の下まで来るとそうでもねえな。
部分的に氷がやわらかい。
氷は、普通固いというイメージだが、微妙に違うのである。
本日の柔らかい氷は、ようかんのような感じというとわかりやすいと思う。
硬い氷の部分ならバイルは、せいぜい2センチ程しか刺さらないが、柔らかいのでスッと10cmほど入ってしまう。
いっぱい刺さって良さそうだが、アイゼンのフロントを刺して立ち込んだときにズルズルと落ちて振り出しに戻るみたいになりそうなのだ。
アイススクリューにテンションをかけようもんなら、ズブズブ言いながら、ポロリになりそうだ。
ここは、雪が降ると滝が埋まるというし、雪が降らないうちに来ると氷が柔らかいときた。
これでよしとしなければならないのだ。
登る方がしっかりした氷の面を見極めながら登るのだ。
また、F2もさほど難しくなかった。というか、天候も良いし、楽しい。
(ロープを背負って取り付きまで2時間は、つらかったが、)どんどん登っていく。
余裕が出てきて傾斜がきついところにルートをとったりして。
氷が薄いもんだから、バイルをズッカと打ち込んだら、ドコッと音がする。
あばば。


氷が薄くて岩にバイルの先端が当たってしまったのだ。
ひげだって剃れそうにキンキンに研いであった先っぽだったんですけど。
まあ、道具は、飾りもんじゃない。使ってなんぼ。

裏同心ルンゼは、初級ルートなのであっという間にF5まで来た。
ここまでアイススクリューは、ひとつのFにつき取り付くときにビレイヤーの保護のために1本ねじ込んで途中にまた一応とっとくかという感じで1本ねじ込む程度。
体感的には、取り付きの1本だけで十分であるが、
F5
アイススクリューのねじ込みと考えるとこんなに余裕でスクリューを操作できるところは、ない。
練習には、ちょうどいいので途中でねじ止めをしておく。
こんな感じで登ったもんだから、途中から、アイススクリューと呼ばずして単に「ねじ」と言うようになってしまった。
「高橋君、ねじ回収してくれたか。」というような感じ。

F2以降も同じレベル。
楽しくどんどん行けたのと
2名一組なので登るのとビレイするのが、連続で続き、デジカメをとっている状態ではないままにF5まで来てしまった。
最高にちょうどいいアイスクライミングのロングルートです。
去年は、アイスを一回しかやってなかったのですこうし不安だったが、まったく問題なし。
フリーをさんざんやってるおかげです。
-それに比べてその次の日のさみい黒岩で師匠と二人ではりついたインビテーションのしんどいこと。-

F5を登ってアイスクライミング終了。
ここから、すぐルンゼを右上と大同心基部までもう少し登ってから基部沿いに右上のルートがあり、ガイドブックでは、すぐ右上となっているが、どう見ても基部まで行ったほうが、よさそうなので基部まで登り上げる。
12時ちょうど。美濃戸口から北沢を鉱泉まで歩きながらずっと高いところに見えた大同心の基部までたどり着いた。
大同心稜の大同心基部
やったー。
ロープをしまい、大同心基部の稜線まで歩いて右上する。
これが、意外と長いし高度差がある。
12時20分。稜線に出た。
すっきり晴れ渡り、赤岳、阿弥陀、硫黄、中央アルプスまで見える。
4人で小休止。写真をぱちりして大同心稜を降る。

13時28分。あっという間に赤岳鉱泉に着き、メットやハーネスを解除して昼飯。
喰っていたら、すぐ後ろで甲高い女性の声。
これも、何度も山渓DVDの赤岳主稜で見たガイドのミキさんだ。
この人も初めてなのに声だけでわかってしまった。
しばらくするとまた、プロガイドさんが出てくる。
さすが、八ヶ岳。
1日で何人も有名ガイドさんに会う。

まっちゃんが、持ってきたペットボトルのコーラの飲み口が凍ってしまっている。
親切な僕は、凍った飲み口をアイススクリューでグリグリ穴を開けてあげましょうかと声をかける。
アイススクリューは、こういうときにも使える。とても便利。

15時30分。美濃戸口でまっちゃんは、ひとりで帰るというので
また、3人で帰る。
帰りの車の中で
「飯どうする?」
「途中で食って帰ってもいいけど。」
「ガストのステーキの(メニューの)裏側のぷっくらふくらんだローストチキン食いてぇー」
「俺カレー。」
「よし、決まり。」
また、ガストに寄ってしまった。
で、ウェイトレスさんが来て3人ともまたメニューの同じものを指さす。
なんだかんだ言って昨日と同じ。
2日連続ステーキでした。